統計解析ソフト JMP ブログ

プログラミングなしで使える、インタラクティブで可視的な統計解析ソフト「JMP(ジャンプ)」です。統計初心者の方、データ分析を始めてみたい方に向けて情報を発信しています。

最近の若者は本当に背が高くなっているのか?折れ線グラフで考察すると思った以上に意外な事実が…

■JMPでは誤差バーの位置をずらすことができる

JMPの「グラフビルダー」では、折れ線グラフに誤差バーを追加した際に、複数の系列の誤差バーが重ならないようにずらして表示できます。

 

以下は、3つの系列(青、赤、緑)に対して平均の時間的推移を示す折れ線グラフですが、それぞれの平均値に対する標準誤差を誤差バーとして表示しています。

このとき、複数の誤差バーが重なるので、これらを視覚的に分けるために位置を調整する必要があります。例えばMicrosoft Excelでは、異なる系列のデータ点を元の値から少し変更してグラフ上での位置を調整する必要があります。

 

一方、JMPでは「誤差バーのオフセット」という機能を使って、これらの誤差バーを簡単に調整できます。

 

そこで、本ブログでは身近なデータを使って、この機能の効果をアピールしてみます。

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シンプルだけど有用なグラフ 「ドットプロット」で世界の平均寿命分布を可視化

日本は世界有数の長寿国と言われていますが、他の国々の寿命はどのような状況なのでしょうか?

 

このことを確かめるために、データを収集してグラフ化してみたのですが、改めてドットプロットがわかりやすいなあと感じたので以下に掲載しました。2021年の世界各国に対する平均寿命を示しています。

データの出典:世界銀行 Life expectancy at birth, total (years)

このグラフでは、各国の平均寿命について小数点第一位を四捨五入して整数化し、横軸に平均寿命(データ値)、縦軸に該当国を積み上げ、点の数で度数を表現しています。

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「ムーアの法則」は今後も成立するのかどうか? JMPとChatGPTで考察してみた

最近のChatGPT(GPT-4)では、画像をアップロードすることによりその画像を認識できるようになっています。

 

そこで何気なく、以下のようなJMPのレポートを画像形式(png)にしたものをChatGPTにアップロードし、「これはJMPで曲線をあてはめたときのレポートですが、この結果を解釈してください。」というプロンプトを試してみました。

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JMPで作る箱ひげ図

※今回の内容はYouTube動画でもご紹介しています。

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■さまざまなカスタマイズが可能なJMPの「箱ひげ図」

「箱ひげ図」は、データの分布を見るのに便利なグラフです。スプレッドシートでも作成できますが、JMPはもっと簡単です。

しかも、簡単なだけでなく、複数の箱ひげ図を表示させてそれぞれの分布の比較をできたり、箱の色を変えられたり、バイオリンプロットと重ねて表示できたり、幅広いカスタマイズができるのです。今回はそのやり方をご紹介しますね。

JMPを持っていなくても大丈夫です。初めての方も30日間全機能無料のトライアル版で一緒に操作してみましょう。

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祝 藤井聡太八冠誕生 先手・後手での勝率を分析してみると、あるターニングポイントが…

増川 直裕

 

ニュースでも大々的に報道されましたが、2023年10月11日、棋士藤井聡太竜王が王座のタイトルを獲得し、前人未到の八冠を達成しました。

 

タイトルを獲得するということは、その棋戦で170名ほどいる棋士の頂点に立つことを意味します。1つタイトルを取ることでも相当難しいのですから、同時期に8つのタイトルを独占する事実は信じがたいものです。

 

私は藤井八冠が2016年にプロデビューしてから現在まで活躍を見届けてきましたが、八冠達成までに対戦した公式戦410試合の勝敗をデータ化しています。

 

近年の将棋では、トップ棋士ほど先手の勝率が高くなる傾向があります。そのため、藤井八冠の先手・後手での勝率をチェックするのにデータが役立っています。

 

そこで本ブログでは、JMPを使って対話的に藤井八冠の先手・後手での勝率を分析してみます。さらに、先手の勝率が高くなるターニングポイント(時期)も探していきます。

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ヒストグラムと幹葉図の連動で、データを多角的に分析

※今回の内容はYouTube動画でもご紹介しています。

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■基本だからこそ使いこなしたい「ヒストグラム

ヒストグラムはデータ分析における基本的なグラフでありながら、製造現場では「QC7つ道具」の1つとして品質管理の実践に大いに活用されています。

 

今回は、利用頻度が高くベーシックなグラフであるヒストグラムとデータの分布が見やすい幹葉図が統計ソフト「JMP(ジャンプ)」インタラクティブに連動し、その結果、データをさらに深掘りできる様子をご紹介します。

 

もちろんJMPを持っていなくても大丈夫です。初めての方も30日間無料のトライアル版(ダウンロードはこちらで一緒に操作してみましょう。

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今年の7月は暑かった...ヒートマップで世界の平均気温をグラフ化してみるとさらに暑さを感じるように...

今年の7月は(今年の7月も?)暑かった。この時期の暑さは今に始まったことではありませんが、こう暑い日が連続して続くと、外に出るのが億劫になってしまう今日この頃です。

 

NASAのニュースによると、今年7月の世界の平均気温は、7月では観測史上最も高い気温だったようです。2023年7月は、1951年から1980年までの7月の平均気温を基準として、世界全体では1.18℃高かったとの記述があります。

 

"数十年前と比べて1℃高いだけなのか、大したことないな" と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、気温が1℃上がるだけで大型台風の多発、洪水、干ばつの増加など、人類にとって危機的な状況が起こる可能性は高まると言われています。

 

そこで本ブログでは、世界の平均気温がどのように変わっているかを、主にヒートマップを使って可視化してみます。

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